自民党は間違いなく議席を減らすだろうし、それによって菅内閣は退陣に追い込まれるだろう。
しかし、それでも与党の過半数は揺るがず、政権交代は起きない。
岸田か河野か知らないが、別の自民党総裁が生まれ、総理に就任するだけである。
なぜそう言えるのか。
圧倒的な組織票(と公明党からの選挙支援)を持つ自民党に対し、野党が勝つには、無党派層からの圧倒的支持を得るしかない。
ところが、その無党派層は、たとえ自民党に失望していたとしても、「強い動機」がなければ野党に投票することなく、ただ投票に行かずに終わる。
そうして投票率が下がれば、結局は組織票を多く持つ自民党が勝つ。
ここで「強い動機」というのは、2005年の郵政選挙や、2009年の政権交代時のように、「この人に(あるいはこの党に)政権を任せてみたい」という期待があることをいう。
この期待が高まることなくしては、いくら自民党への失望感を煽っても勝ち目はない。
さて、無党派層は今、野党に政権を任せたいという強い動機を持っているだろうか。
世論調査の政党支持率を見れば分かる通り、どう考えても野党に投票する「強い動機」を持ってはいない。
~ 中略 ~
野党は自分たちが政権を取るとどんなに素晴らしい未来が待っているか、具体的政策を主張し、過半数近い人がそれに期待する、という状況を作り出す必要がある。
それをせず、「国民の怒りで自民党を壊滅させよう」などといくら言っても政権交代は起こり得ない。
こう言うと、「いや、野党も具体的な政策は発表している。勉強不足だ」と言う人がいるかもしれない。
しかし、それではダメだ。
「勉強などしなくても、野党の政策が耳に入ってくる」くらいの状況を作り出さない限り、野党に投票する「強い動機」は生まれない。
たとえば2009年には、高速道路無料化や子ども手当と言ったことを民主党が公約に掲げているらしい、といった情報は多くの人が知っていた。
それに比べ、現在の立憲民主党の公約を知っているという人が何人いるだろうか。支持者以外はほとんど知らないのではないか。
記事引用元(全文はこちら)
自民党は壊滅しないし、政権交代も起こらない
2021-05-04
https://anond.hatelabo.jp/20210504201554
コメント